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【東高裁】プロダクトバイプロセス、製法自体の特許性は判断せず
【訴訟】発信:2002/06/28(金) 11:05:22
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原告は特許第267209号特許権者である。本件特許に対し特許異議の申立があり、その結果取消決定がなされ、原告は同決定の取消を求める訴訟を提起した。原告は本件特許に添付した明細書又は図面(本件明細書)につき訂正審判を提起し、その結果同訂正審判の請求は成り立たないとの審決がなされた。本件は同訂正審判の審決に対する審決取消訴訟であるが、東京高裁は6月11日、本件請求を棄却する判決を下した。ここでは本判決における東京高裁の判断の一部を抜粋して紹介する。
【ポイント】
いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームに該当する訂正後の発明(訂正発明)の特許要件を考えるにあたって、物の製造方法自体として特許性を検討する必要があるか否か。物の発明の構成自体が想到容易なものであるときに、その物が有する効果を根拠として特許付与される場合とは如何なる場合か。
【東京高裁の判断】
■プロダクト・バイ・プロセス・クレームの新規性・進歩性について
本件訂正発明が,製造方法の発明ではなく,物の発明であることは,上記特許請求の範囲の記載から明らかであるから,本件訂正発明の上記特許請求の範囲は,物(プロダクト)に係るものでありながら,その中に当該物に関する製法(プロセス)を包含するという意味で,広い意味でのいわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームに該当するものである。
そして,本件訂正発明が物の発明である以上,本件製法要件は,物の製造方法の特許発明の要件として規定されたものではなく,光ディスク用ポリカーボネート成形材料という物の構成を特定するために規定されたものという以上の意味は有し得ない。
そうである以上,本件訂正発明の特許要件を考えるに当たっては,本件製法要件についても,果たしてそれが本件訂正発明の対象である物の構成を特定した要件としてどのような意味を有するかを検討する必要はあるものの,物の製造方法自体としてその特許性を検討する必要はない。
発明の対象を,物を製造する方法としないで物自体として特許を得ようとする者は,本来なら,発明の対象となる物の構成を直接的に特定するべきなのである。それにもかかわらず,プロダクト・バイ・プロセス・クレームという形による特定が認められるのは,発明の対象となる物の構成を,製造方法と無関係に,直接的に特定することが,不可能,困難,あるいは何らかの意味で不適切(例えば,不可能でも困難でもないものの,理解しにくくなる度合が大きい場合などが考えられる。)であるときは,その物の製造方法によって物自体を特定することに,例外的に合理性が認められるがゆえである。
このような発明についてその特許要件となる新規性あるいは進歩性を判断する場合においては,当該製法要件については,発明の対象となる物の構成を特定するための要件として,どのような意味を有するかという観点から検討して,これを判断する必要はあるものの,それ以上に,その製造方法自体としての新規性あるいは進歩性等を検討する必要はない。
いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの形により特許を得ようとする者は,発明の対象を製法としないで物とすることを何らかの理由で自ら選択した以上,当該物は当該製法によって製造されたものに限られることを主張しようとするなら,そのことを出願に係る明細書において明示すべきである。
・・・中略・・・、審決が本件訂正発明の構成自体が想到の容易なものであったと認定判断し,その認定判断に誤りがないことは,既に認定したとおりであり,このように構成につき容易想到性が認められる発明に対して,それにもかかわらず,それが有する効果を根拠として特許を与えることが正当化されるためには,その発明が現実に有する効果が,当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なることを要するものというべきである。
◆H14. 6.11 東京高裁 平成13(行ケ)84 特許権 行政訴訟事件 東京高等裁判所第6民事部 【関連URL】裁判所HP
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