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【東地裁】ゲームキャラクターを裸にするツールは同一保持権侵害
【訴訟】発信:2002/09/03(火) 10:38:58
PS2用ゲームソフト「DEAD OR ALIVE 2」(以下、本件ゲームソフト)の著作権を有する原告(テクモ株式会社)が、本件ゲームソフトで登場するキャラクター「かすみ」の裸体を選択できるようにメモリーカード上のパラメータ・データを編集できるプログラム(以下「本件編集ツール」という。)を開発してCD−ROMに収録し、全国490店舗に販売した被告(株式会社ウエストサイド)に対し、本件CD−ROMに収録し、販売する被告の行為は、原告の翻案権又は同一性保持権を侵害するものであると主張して、損害の賠償を請求する事案において、東京地裁は8月30日、原告の請求を一部認容する判決を下した。ここでは本判決における東京地裁の判断について一部を抜粋して紹介する。
【本件の争点】
■被告の行為は原告の本件ゲームソフトに対する翻案権又は同一性保持権を侵害するかどうか。
■損害の発生及び数額。
【東京地裁の判断】
■被告の行為は原告の本件ゲームソフトに対する翻案権又は同一性保持権を侵害するかどうか。
本件ゲームソフトの映像は、思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものとして、著作権法2条1項1号にいう著作物ということができるものと解される。そして、本件編集ツールによって編集された本件メモリーカードを使用して、本件裸体画像を表示することは、本件ゲームソフト中の「かすみ」のコスチュームの映像を改変するものであって、原告の本件ゲームソフトに対して有する同一性保持権を侵害するものと解するのが相当である。
なぜなら、通常市販されているメモリーカードを使用した場合には、「かすみ」の使用可能なコスチューム数の最大値は6であって、本件裸体画像を表示することはできないところ、本件メモリーカードを使用することによって、上記コスチューム数の制限を超え、本件裸体画像を表示することが可能になるからである。
被告は、ユーザーによる本件メモリーカードを使用する行為は、通常それによって表示された「かすみ」の裸体画像を公衆に見せるものではないから、同一性保持権侵害に当たらないと主張するが、被告は、本件編集ツールを本件CD−ROMに収録して多くの本件CD−ROMを販売することにより、それを買い受けた者が、本件メモリーカードを使用して、本件ゲームソフトを改変するという結果を生じさせたのであるから、その結果は、広範囲に生じており、不特定多数の者が改変された映像を見たものと認められる。したがって、被告の行為により同一性保持権侵害が生じたものということができることは明らかである。
被告は、現実に利用行為を行っているわけではない者を規範的に利用行為の主体と認定するためには、@その者の管理、支配の下に、現実の行為者が当該利用行為を行っていること、Aその者が、現実の行為者により利用行為がされることにより利益の得ることを目的としていること、以上の要件が具備されることを要するところ、本件については、これらの要件を具備していないから、被告を侵害行為の主体と考えることはできないと主張する。
上記@、Aの要件を具備している者が、著作権侵害の主体として責任を負うことがあるとしても、著作権侵害の責任を負う者が、このような者に限定される理由はない。本件においては、被告は、本件編集ツールを含む本件CD−ROMを多数販売し、その結果、ユーザーが、本件メモリーカードを作成使用することにより、本件ゲームソフトが改変されたものと認められるから、このような事実関係の下では、被告について不法行為の成立を認めるのが相当であって、それが妨げられる理由はない。
■損害の発生及び数額
被告の同一性保持権侵害行為の内容は、本件ゲームソフトにおいて、本件裸体画像を表示することができるようにしたものである。そして、前記(1)キ認定のとおり、被告は、本件CD−ROMを包装したCD−ROMマガジン「お楽しみCD」30号及び31号を全国490店舗に販売したことが認められる。これらの事実に、本件に現れたその他の事情を総合すると、被告の同一性保持権侵害行為による慰謝料の額は、200万円が相当である。
◆H14. 8.30 東京地裁 平成13(ワ)23818 著作権 民事訴訟事件
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 森 義 之
裁判官 内 藤 裕 之
裁判官 上 田 洋 幸
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