| 出願料引下げ、補正制限緩和等…特許制度小委員会中間報告案
【動向】発信:2002/12/20(金) 17:12:41 |
| 産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会は12月19日、第4回委員会において中間取りまとめを行い公表した。ここでは中間取りまとめ案の一部を抜粋して紹介する。 ■先端医療行為の特許法上の取扱の明確化 近年進展の著しい再生医療及び遺伝子治療関連技術においては、皮膚の培養方法、細胞の処理方法の新技術が生まれている。医師による医行為等に影響を及ぼさないよう配慮しつつこれらの発明を更に促進するとの観点から、特許法における取扱いを明確化すべく、本小委員会の下に医療行為ワーキンググループを設置して検討中であり、2003年3月を目処に方向性を取りまとめる。 ■補正制限に係る審査基準の見直し 我が国の補正制限に係る審査基準については、制度の利用者から、欧米に比して運用が硬直的にすぎるとの指摘がなされている。先願主義を採用している我が国特許制度の下においては、補正制限の運用があまりに厳格となった場合には、基幹的な特許の権利範囲が過度に小さくなるおそれもあることから、基幹的な発明等についての適切な権利確保を可能とするとの観点に立ち、欧州における運用も参考として、運用の弾力化を検討する必要があると考えられる。 具体的には、「直接的かつ一義的」に導き出せるとの基準を弾力的に解釈し、出願人から、補正された内容が出願時の明細書又は図面に記載された事項の範囲内であることについての十分な説明がなされた場合には、補正を認めうることを審査基準上明確化する方向で検討を進めるべきである。なお、分割出願が行われた際の分割要件の審査基準についても、これに準拠する方向で検討すべきである。 ■特許関係料金の修正 出願人の間の費用負担不均衡の是正を図るとともに、企業において、適正な審査請求行動をとるインセンティブをより強める観点から、従来に比して、より一層実際の審査に伴う費用にも配慮しながら、中期的には料金体系の見直しによる特許特会の歳入増が生じないような形で料金体系の見直しを図ることが必要であると考えられる。 今回、外部の監査法人により試算された特許出願・審査等の手続きにかかる実費と現行料金を比較すると、出願料についてはペーパーレス化等業務の効率化努力により実費の低減が見込まれ、かつ現行料金を下回っている一方、審査請求料については出願の高度化・複雑化や請求項数の増加による審査負担の増大及び外注費用の増加により実費の上昇が見込まれ、かつ現行料金を大きく上回っている状況にある。 こうした状況を踏まえた上で、現行料金体系の有する上記各問題を解消し、出願・審査請求構造の改革に資するように、出願料、審査請求料、特許料のすべてについて、現行料金体系の在り方について見直しを行うべきである。見直しの具体的な方向性は以下のとおりである。 ア)出願料 先願主義制度の下では出願日が重要であり、出願は速やかに行われる必要がある。また、創造された技術について出願がなされれば、その技術内容は一般に公開されるため、次の創造を促進し、産業全体としての技術進展に寄与することとなる。さらに、技術内容の公開は、重複研究・重複投資の回避にも寄与することとなる。 したがって、積極的な出願を促すため、出願料は容易に出願できる水準とするべきであり、少なくとも実費を超えない程度の水準とすることが適当であると考えられる。現行出願料は21000円であるのに対し、試算による実費は、16400〜17700円であり、上記の観点からみれば是正すべきものであり、実費を超えない額として、16000円程度の水準を検討することが妥当ではないかと考えられる。 イ)審査請求料 審査請求料は、原則として、出願した発明の特許性に関し、審査請求時に見直しを促すような水準が妥当である。試算による実費は、25万円〜30万円であるが、この実費以上の額とした場合は、審査請求時における出願人の負担増が過度となり、特許性が見込まれる出願の審査請求までもが阻害されるおそれがあるため望ましくない。また、費用負担の不均衡是正の観点からは、実費との乖離を適切な程度に小さくする必要がある。請求料を20万円程度以上まで引上げ、これに応じて特許料を変更した場合、権利付与前と付与後の負担比率がほぼ1:1となり(現在は約1:3)、不均衡の是正にも十分に寄与すると考えられる。 上述のような審査に要する実費と、権利付与の前後における費用負担の比率の双方を考えあわせれば、審査請求料の水準としては、20万円前後から25万円前後程度の範囲で検討を行うのが妥当ではないかと考えられる。なお、基本的な料金構造については、現行と同じく、基本部分と請求項数による変動分とを有する構造を維持する方向で検討を行うべきである。 なお、本小委員会の審議の過程においては、審査請求料の引上げのみによって特許審査の迅速化を図ることへの懸念や、審査請求料の引き上げが資金力の乏しい大学・中小ベンチャー企業の審査請求を過度に抑制する効果が働くことへの懸念が示される一方、出願人にとって、審査請求前に先行技術調査を行うことは拒絶の回避につながり、結果として早期の権利化が図られるとともに、権利範囲を適切に設定し得るといったメリットがあるとの意見もあった。特に、より実際の費用を勘案した料金体系の設定は合理的であり、出願人のインセンティブを強化するとの意見が多数であったことから、今回の料金体系の見直しについては、最適な特許審査に向けた総合的な対策の一環として、他の施策とともに実施されること、審査請求料引き上げの影響を強く受けると予想される |
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