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【東地裁】全体観察でも類似の美観を生じない
【訴訟】発信:2003/04/01(火) 13:17:42
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原告が、被告に対し、作業用足場を製造販売する被告の行為が原告の有する意匠権を侵害するとして、被告の同行為の差止及び損害賠償を求めている事案において、東京地裁は3月28日、原告の請求をいずれも棄却する判決を下した。ここでは本判決における東京地裁の判断の一部を抜粋して紹介する。
【東京地裁の判断】
正面図及び平面図において、本件登録意匠は、水平板中央部片側に把手部が存在するのに対し、被告意匠には存在しない。
平面図において、本件登録意匠は、水平板の中央長手方向に細幅帯状に余地部を設け、その左右に2121の配列で円孔部が千鳥状に形成されているのに対し、被告意匠においては、水平板を構成する3枚の天板のうち、中央の天板に2121の配列で、その左右の天板に1212の配列で円孔部が千鳥状に形成されているという点で異なる。また、被告意匠の水平板表面には、円孔部の配列の間に縦線が形成されているのに対し、本件登録意匠にはなく、円孔のみから構成されるため、両者の美観は異なる。
側面図において、本件登録意匠と被告意匠とは、上部脚部の一部が上部脚部の上端から左右垂直に垂下し、該垂下部に続き、左右外方にやや末広がりとなるという構成において共通する。しかし、垂下部の長さが、本件登録意匠では、上部脚部全体の約5分の1に相当し、脚部全体に引き締まった印象を与えているのに対し、被告意匠では、上部脚部全体の約7分の1の長さであり、その結果、垂下部が全体の形状に影響を与えていない点において、両者は異なる。
折畳状態の正面図において、本件登録意匠は、脚部の4箇所の端部が左右互いに隙間なく対向するのに対し、被告意匠は、脚部の4箇所の端部が、左右約11センチメートルの隙間を挟んで対向する。
以上のとおり、被告意匠は、本件登録意匠の要部をいずれも具備しているとはいえず、一部共通する点があっても、看者に類似の美感を与えているとはいえない。
また、本件登録意匠と被告意匠とは、作業用足場の意匠において割合的に最も大きな部分を占め、看者が強く注目する部分である足場部分(水平板)が、本件登録意匠においては幅と長さの割合が約1対4と細長いのに対し、被告意匠においては約1対3と、より安定した形状となっており、その結果、本件登録意匠が、前記脚部の垂下部の形状と相まって全体としてほっそりとしたスマートな印象を与えるのに対し、被告意匠は、前記ステイの存在と相まって、全体として太めのどっしりとした印象を与えている。
これらの点を総合すれば、被告意匠を全体として観察したときに、本件登録意匠と類似の美観を看者に生ぜしめるとは認められず、両意匠が類似しているということはできない。
◆H15. 3.28 東京地裁 平成14(ワ)16938 意匠権 民事訴訟事件 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 飯 村 敏 明 裁判官 大 寄 麻 代 裁判官今井弘晃は海外出張のため署名押印できない。 裁判長裁判官 飯 村 敏 明
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