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【東地裁】先行訴訟での弁済により被告の債務は消滅
【訴訟】発信:2003/06/09(月) 10:43:57
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被告は、平成11年3月から平成12年3月までの間、カナダのターキーヒルシュガーブッシュ社(以下「ターキー社」)が製造したカナダ産の250ml入りメープルシロップ(以下「被告商品」という。)を輸入して訴外ジェイティービートラベランドトレーディング(以下「JTBトラベランド」)に販売し、JTBトラベランドは、被告商品の写真を通信販売用のカタログに掲載した上、これを1セット(3本、以下同じ)当たり3800円で販売した。なお、被告が輸入した被告商品に付されていた被告標章は、本件商標に類似している。
原告が被告に対して、商標権侵害を理由として損害賠償を請求した本事案において、東京地裁は5月28日、原告の請求を棄却する判決を下した。ここでは本判決における東京地裁の判断の一部を抜粋して紹介する。
【事件の経緯】
原告は、JTBトラベランドに対し、商標権侵害訴訟を提起した。すなわち、原告は、JTBトラベランドの販売した被告商品等には、被告標章が付されていたが、被告標章は本件商標に類似するから、JTBトラベランドが被告商品及びムース社商品を販売する行為は本件商標権侵害に当たると主張して、不法行為に基づく損害賠償訴訟を提起した(以下「先行訴訟」という)。
先行訴訟について、東京高等裁判所は、商標法38条3項により原告の損害額を算定し、本件商標の使用料相当額は、前記売上高の1パーセントと認めるのが相当であるから、原告の被った使用料相当額の損害は、前記2521万6200円に1パーセントを乗じて得た25万2162円となると判示し、JTBトラベランドに対し、25万2162円及びこれに対する平成12年8月23日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を命じた。
JTBトラベランドは、上記控訴審判決は確定した後、原告に対し、同判決の認容額全額を支払った。
【東京地裁の判断】
■原告の損害額
…略…商標法38条1項の規定に従い、原告の損害額を算定すると、その額は1万0234円となる。したがって、被告は原告に対し、本件商標権侵害による損害賠償として1万0234円の支払義務を負うものと認められる。
■既払分の控除
前記のとおり、原告は、JTBトラベランドから先行訴訟における認容額全額の支払を受けた。先行訴訟における認容額(被告商品等による損害額の合計は25万2162円である。)のうち、被告がJTBトラベランドに販売した被告商品を同社が販売したことによる損害額は、3万3174円となる(当裁判所に顕著な事実)。
ところで、被告が被告標章の付された被告商品を輸入してJTBトラベランドに販売し、同社がこれを需要者に販売した行為は、本件商標権を侵害する共同不法行為となるものと解されるから、被告の本件損害賠償債務と先行訴訟において認容されたJTBトラベランドの損害賠償債務のうち上記3万3174円の部分とは不真正連帯の関係にあるというべきである。したがって、JTBトラベランドが先行訴訟における認容額全額を支払ったことにより、被告の本件損害賠償債務は弁済により消滅したものと認められる。
なお、原告は、予備的に商標法38条3項に基づく損害額の主張をしているが、被告商品の販売による使用料相当額の損害は、JTBトラベランドが原告に対して先行訴訟の認容額全額を支払ったことにより既に填補されたと解すべきであるから、原告の上記主張は、理由がない。
◆H15. 5.28 東京地裁 平成14(ワ)6895 商標権 民事訴訟事件 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 飯 村 敏 明 裁判官 榎 戸 道 也 裁判官 大 寄 麻 代
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