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【東高裁】「ほぼ球形」の作用効果を強調、限定解釈に
訴訟】発信:2003/08/22(金) 17:59:13  

   被告製品(顆粒状チタン酸カリウムウィスカー)を造粒している脱退被控訴人に対し、控訴人が、特許権(特許番号・第2131511号、発明の名称「顆粒状ウィスカーおよびその製造方法」)に基づいてその製造、販売の差止め及び廃棄並びに損害賠償金の支払を請求している事件において、東京高裁は7月15日、控訴人の請求を棄却する判決を下した。ここでは、本判決における東京高裁の判断の一部を抜粋して紹介する。

   【東京高裁の判断】

   ■控訴人の当審における主要な主張

   第1発明の顆粒状ウィスカーは、ウィスカー粉末に水を加えて加湿し、それを混合攪拌して作られる粒子の集合体であって、1個1個の顆粒の形状を意識して作られるものではない。
   しかも、その顆粒の数は膨大であるから、顆粒の形状を表現する言葉は厳密な意味のものではなく、顆粒全体における形状の特徴を表現したものである。
   したがって、個々の顆粒がその言葉に正確に該当するかということは問題とならない。転がり運動により造粒される粒子は、一般に球状になると考えられている。ミクロ的に「ごつごつした岩状」の粒子があっても、顆粒の形状はマクロ的に「ほぼ球状」と表現されている。
   第1発明の要件である「ほぼ球状」は、ウィスカー粉末を顆粒化した直径0.1〜10mmの粒子の形状を表現する言葉であるから、顆粒を肉眼であるいは拡大鏡で観察して、球形の形状を特徴的に看取できれば十分である。この意味で、被告製品の顆粒の形状は、「ほぼ球形」に該当する。

   ■裁判所の考え

   しかしながら、粒にも様々な形状があるから、転がり運動によって造粒される粒子をもって、これをそのまますべて「ほぼ球状」のものと評価することができないのは当然のことである。・・・略・・・。

   本件明細書においては、「本発明の顆粒状ウィスカーは顆粒の粒径が0.1〜10mmのほぼ球形に近いもので、嵩比重が0.2〜1.0s/lであり、・・・容積が減って取扱い易くなったばかりでなく、顆粒体であるから粉体の流動性も顕著に改善され、移送、添加操作も非常に迅速に行うことができるようになった。」と記載されているように、ほぼ球形に近いことからくる作用効果が強調されていることからすると、控訴人の上記主張は理由がない。

   ◆H15. 7.15 東京高裁 平成14(ネ)4293 特許権 民事訴訟事件
   東京高等裁判所第18民事部
   裁判長裁判官      塚  原  朋  一
   裁判官      塩  月  秀  平
   裁判官      田  中  昌  利



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