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デジタル・ネット時代の著作権制度の課題とあり方を提言
法規】発信:2008/05/30(金)  

  内閣の知的財産戦略本部の「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会」が5月29日に開催され、今後の知財制度のあり方についての検討経過報告が公表された。一部の問題は特に緊急性が高く、6月にまとめられる「知的財産推進計画2008」に位置付け、早急に解決すべき事項として法的措置を構ずるべきであるとしている。

  同専門調査会は、知的財産戦略本部が、近年のデジタル技術の発展やネットワーク化の進展に対応した知財制度の課題と対応のあり方を調査・検討を行なうため設置したもので、(1)日本が国際社会で競争力を発揮していくには、デジタル情報技術のメリットを活かし、ネットビジネスの発展や技術開発を促すとともに、クリエーターの創作インセンティブを高める基盤の確立が不可欠、(2)しかし、日本は契約ルール、法制度等の知財制度が、「社会全体としてデジタル情報やネットを十分活用し得る環境」を提供できていないのでは、との認識のもとで、デジタル・ネット社会における著作権制度の役割等について議論を行いつつ、解決すべき具体的な問題点の抽出に努めてきた。

  問題点は多岐にわたり、専門調査会としては、年度末に向け、引き続き検討を行っていくとしているが、一部の問題は緊急性が高く、「知的財産推進計画2008」に位置付けて、早急に解決すべき事項として、今回、提言を公表した。

  専門調査会は、「早急に対応すべき課題」として、以下の4点をとり上げている。
(1) 検索サービスの適法化
  サーバーへの情報蓄積が著作権法上の複製等に該当するおそれから、サーバーが海外に設置され、検索サービスもフェアユース規定のある米国での事業展開が優先される動きがあり、検索サービスの円滑な実施に必要な複製、翻案・公衆送信ができるよう早急に法的措置を講ずるべきである。

(2) 通信過程における一時的蓄積の法的位置付けの明確化
  ネットワーク経路の中継サーバーへの蓄積など、コンテンツ流通に伴う一時的蓄積が著作権法上の複製等にあたる恐れがあり、新サービス提供の不安定要因となっているため、早急に法的措置を講ずるべきである。

(3) 研究開発に関わる著作物利用の適法化
  高度な知的処理を実現する画像・音声・言語・ウェブ解析技術等の研究開発には、放送情報やウェブ情報等の蓄積・改変が必要だが、著作権法上の複製・翻案に当たるおそれがあり、相当萎縮効果が働いている。著作権者への影響も配慮しつつ、研究開発に必要な範囲の著作物の複製や翻案ができるよう早急に法的措置を講ずるべきである。

(4) コンピュータプログラムのリバースエンジニアリングの適法化
  産業財産権法制ではリバース・エンジニアリングに必要な権利制限があるが、著作権法には規定がなく、相互運用性や情報セキュリティの確保のためのプログラム解析等に相当程度の萎縮効果が働いている。相互運用性や情報セキュリティの確保のためのリバース・エンジニアリングに必要な範囲で、その過程で生じる複製・翻案ができるよう早急に法的措置を講ずるべきである。

  専門調査会では、引き続きの検討課題として、マルチユースへの対応や、コンテンツの流通促進のための二次利用の権利関係のあり方、フェアユース的規定の導入、ネット上の違法コンテンツへの対策の強化などについて検討を進め、2008年度中に全体の報告をまとめるとしている。

【詳細】デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会(第3回)議事次第



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