「IP-NEWS」では、知財関連ニュースをタイムリーに紹介していきます

日本経団連、時代に対応する複線型著作権法制を提言
動向】発信:2009/01/30(金)  

  日本経団連は1月20日、現行著作権法を基礎としつつ「産業財産権型コピライト制度」と「自由利用型コピライト制度」を新たに創設することを提言する報告書「デジタル化・ネットワーク化時代に対応する複線型著作権法制のあり方」を公表した。

  日本経団連は、近年のデジタル化・ネットワーク化の急速な進展やオープンソースの動きの広がりなどの状況に対し、現行著作権法制の下では、著作物の創作や利用を円滑に行う環境は十分に担保されていないとの認識から、2007年2月に「デジタル化・ネットワーク化時代における著作権法制の中長期的なあり方について」(中間とりまとめ)を公表し、創作形態や利用目的などに応じた複線型著作権法制の構築の必要性を提案している。

  今回は、その後に知的財産委員会著作権部会で、具体的な制度設計の検討を重ねてきた結果を踏まえて、複線型著作権法制として、現行著作権法を基礎としつつ「産業財産権型コピライト制度」と「自由利用型コピライト制度」を新たに創設することを提案している。なお、複線型著作権法制は、権利者が自らの意思で必要に応じて選択的に制度を利用することを想定し、特段の意思表明がなされない場合は、現行著作権法が適用されることとしている。

  「産業財産権型コピライト制度」は、放送番組やゲームソフトなど多くの創作者が参加し、産業的に製作される著作物等(産業財産権型コンテンツ)の利用の円滑化を図るための制度で、創作者とコンテンツの著作権者との契約で、コンテンツの著作権をすべて著作権者に一元化することを制度利用の前提とする。その上で、契約の内容を新たに創設する登録機関に登録し、登録されたコンテンツについては、公的な権利証明の発行やライセンス契約の保護など、現行著作権法よりも手厚い権利保護を付与する。これによってコンテンツの安定的な売買や、円滑な海外展開を促進することを可能にするとしている。

  「自由利用型コピライト制度」は、権利者が自由な利活用を認めた著作物(自由利用型コンテンツ)のインターネット上での利用の円滑化を図るための制度で、権利者の意思に基づく著作権の放棄または不行使について、利用者が認識できるようネット上で明示することを制度利用の要件とする。その上で、コンテンツの安定的利用確保の観点から、著作権の放棄(不行使)の表明後は、利用者に不利になる変更を禁止するなどの措置を講じることとする。これによって、ネット上での新たな著作物の創出やイノベーション促進が可能となるとしている。

  今回の提言では、さらに、ネット上の権利侵害などに対する早急な対応が強く求めらることから、著作権保護技術やインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)との協力を中心に対策を進めることが必要で、著作権保護技術に対する法的な担保の検討や、政府支援の下、権利者団体とISP事業者団体との間の連携を強化し、国際的な取り組みを展開していくべきであるとしている。

  日本経団連では今回の提言を踏まえ、政府や関係者に対し、著作権法制のあり方に関する産業界の基本的な考え方について理解を促していく方針であるとしている。

【参考】デジタル化・ネットワーク化時代に対応する複線型著作権法制のあり方



【動向】ジャンルの最新記事

関連記事

powered by weblio




【特許事務所、知的財産部に転職してキャリアUPしよう!】 「知財キャリア」:株式会社ブライナ運営

知財情報局知財キャリアまたは情報提供各社による記事の無断転用を禁じます。

>このページのトップへ